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ぴょん記

まじめにはたらく

Wi-Fiルータわすれた

 木曜は、眼科の検査と診察。13時半から最初の検査の予定だったけど、13時にはすでに待合室に着いていた。午前中に追加の睡眠を2時間ほど取って、それから行水をして家を出ていた。ここ2年か3年の間、感染しやすいのと筋力が衰えたのとなどで病院の行き帰りは専ら車だったが、だんだん歩くのになれてきてそうそう転ばなくなったので、春先頃からひとりのときでもバスや地下鉄を利用するようになった。ただし、出先で気分が悪くなったとき、機敏な対応ができないので、出掛けのお昼は抜いていた。病院で待っている間にサンドイッチでも食べられるかと思って。……しかし、なぜか院内のコンビニエンスストアに行こうかとおもうたびに次の検査に呼ばれ、そのうち予期しなかった追加の検査や診察も行われて、サンドイッチはおろかお茶のペットボトルにも出会えず、ほぼ診療終了時刻まで相手をしていただいた。ついでにWi-Fiルータをもってこなかったので、読み終わった谷崎の『細雪』の続きの下巻が落とせない。まあ、散瞳剤やら麻酔やら効いているのに活字から離れられないわたしもどうかと思う。かえりに家族と待ち合わせをして、どらやきを買って変わり麺。雨がぱらぱら。

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このお店は、長らく「刀削麺荘」などとして、入口の側で西安からきた一級厨師さんが麺を削っていた店のあとにできたもの。

魔女と暮らす山里に

 『リトル・フォレスト』を読んだ。岩手県奥州市衣川区大森という厳しい自然と豊かな恵みに彩られた一帯が舞台となっている。主人公の若い娘は、ふたりで暮らしていた母親にあるとき失踪される。母親が彼女自身のために家を出て行ったのか、それとも、娘の成長を促すために棲み家を明け渡したのか、にわかには判断が付かなかったが、最後まで読んで、おそらく前者だったのだと思った。同じ作者の『魔女』の下巻で、「石」を身体にとりこんで……の魔女とはいなくなった理由の性質は大きく異なるけれど、未成熟な女の子がひとり残されたことだけは同じだ。ともあれ、このお母さんのように、完璧にはほど遠い「魔女」もいてよい。

 

 

旧盆前のほんの数日

 この小説で描写される現実の時間はとても短い。

 先週末から、ふと作中に出てきたガス壊疽のはなしを確かめようとして、本棚の上のほうにあった高村薫『照柿』の文庫本を上下とも捲っていた。ガス壊疽とは、ガス産生菌による進行性の軟部組織感染症で、ベアリング工場の熱処理棟で働く「達夫」の部下である「源太」という初老の工員が不調を覚えてわずかほぼ半日で絶命するような病気のようだ。高温の熱処理現場は嫌気性菌の巣窟らしい。

 『照柿』は、中井貴一が合田雄一郎で、西島秀俊が森義孝を演じた崔洋一監督の映画『マークスの山』(1995)の原作の次作。わたしの手元にある文庫本は第1冊が2006年8月で、上巻の帯に「前面改稿12年目の待望文庫化」とある。1995年にNHKでドラマ化されているが、こちらの合田雄一郎は、三浦友和が演じている。

 はじめてこの作品を読んだ当時、わかったような気になっていた幾つものことが、10年を経て、まったく見当違いの理解をしていたことが明らかになる。たとえば、情念とか愛執とかいったものは、ふつうの種類の鳥黐よりずっと厄介だ。

 

 

いぶくろとのうみそと

 先日の外出の折、去年の夏に入った蕎麦屋を少し探して諦めて、よく知っているeating while standingのお店に入った。小諸そばさん。とくにここの夏の冷やしたぬき蕎麦が好物。いまは四月の前半なので、それは食べられないけれど、小さいカツ丼と蕎麦のセットを食べればいいと自動券売機の前に立ってみれば、なぜか「満腹」のシールが貼られたカツ丼と蕎麦か饂飩のセットしか見つけられない。時刻もかなり下がったし、ずっと空腹のまま大画面に向かっていたので食べられると思って、予め財布から出していた小銭に百円玉を足して、件の「満腹」を選ぶ。

 配膳口で、冷たいお蕎麦(ざるそば)で、とお願いして待っている間も、蕎麦とカツ丼を長方形の盆に置かれてこちらお席ありますどうぞ、と親切に誘導されて席に着いたときもとくに食べるのに無理な量とは思わなかった。ところが、まず、お蕎麦からするするっといただいて、続いてカツ丼に移ってまもなく、とても早めのリミットがやってきた。カツ丼は、180gほどのしろめし、卵でとじたヒレカツ3枚。そのカツ1枚とご飯約4分の1を食べたら、胃が『これ以上は、処理しきれないかもしれない。』と申し送りをしてきた。ヒレカツ2枚とご飯135g、残してもいいのだけど、町場のeating while standingの店でそういうことをしたことがないので、胃にいわれた脳のほうも混乱していた。『難しいなら残してもいいけど、もう少し頑張れない?本体は3時間くらい、お腹きゅうきゅうさせていたから、食べたいみたいよ。このカツもご飯もおいしいし。』胃は、しばらく考えて答える。『いますぐどうのこうのって感じでもないだろうけど、本体、ふだんの平日、昼めし食べないことが多いから、こういうの驚いちゃうんだよね。』胃と脳との間の調整が終了したようなので、本体は一旦置いた割り箸を再び取り上げて、ヒレカツにかぶりついた。旨かった。

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土曜の昼は中華饅頭

 巻き寿司のほかにはなにが食べたいか出掛ける前に尋ねると、中華饅頭と答えたので、デパートの地階で店を探した。ほぼ初めて寄った店なので、壁の端に佇立していた店員さんに目指すブースまで連れて行ってもらった。そのデパートには維新號さんが入っており、わたしの期待した通りの肉まんあんまんにチャーシューまんが手に入った。

 これが土曜の昼めしになった。

映画みてふらふら

 8日金曜日は、朝のうち雨降りだったが、前日のうちに予約で席を取っておいた映画を観に出掛けた。

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』公式サイト

 主人公の「少佐」を演じたスカーレット・ヨハンソンも好演であったが、彼女を庇う女性科学者役のジュリエット・ビノシュの臈長けた、清冽な色香もよかった。設定などについては、ぜひ映画館に足を運んで原作や押井守の手になる劇場版との異同を確認してほしい。

 それから、たぶん香港の高層アパートメントの上の階にある、ある女性の部屋がよかった。

 映画のあと、買いものをして、おそい昼食をとり、また散財して、夕方のラッシュの前に帰宅した。こういうなんということのない外出も、じつは5年振りぐらい。

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