ぴょん記

こつこつ憶える

さよなら渓谷

 ※ このブログにわたしが観た映画のあらすじが書かれることはまれです。

 

 真木よう子が、過去にいりわけのあった男を伴って、さびれた海沿いの坂道を下り、また、大きな瓦屋根の連なる、ふるい街中の道を行く。真木よう子は、男の姿が自分のそばから消えることを望んでいるのかそうでないのか。おそらく十数年前に起きた集団強姦事件の被害者である女と、4人の加害者のうちのひとりである男。

 

 驚いたことに、この絶望的な関係のふたりの道行きを見守るうちに、加害者である証券会社勤務の男(もと大学野球部の有望株。)のほうに、観るものの一部は、真木よう子について連日ただ歩き続けるのはとてもきついだろうなと同情を寄せるようになる。

 

 しばしば真木よう子壇蜜について、わたしは、考えることがあるのだが、中谷美紀柴咲コウを別格として、真木よう子壇蜜は、21世紀はじめのテレビドラマや映画を思い出すときにまっさきにまなうらに浮かぶ女優さんになることだろう。惜しむらくは、壇蜜のほうに、若年期の性的なエピソードを理由として特異な行動傾向をとるようになった女の人、というカラーが過剰に塗されている点で、ゆえに彼女の出演する映画は絞られてる。それは、残念なことだ。色気抜きの賢さを漂わせるハハの役も、十分こなせる女優さんなのに。

 

 『さよなら渓谷』の話に戻ると、「2000万円分の株、買ってもらったんだろう!?笑え。」「(その襲われて入退院を繰り返しているであろう女の人は気の毒だけど)あたしたちは幸せでよかったよね。」という、金を前にして心にもないけれどもでも心に浮かばなければ最初から口にはされないのだから言った本人は正しいかどうかは別として一旦は実際に思ったんだよね、と考え込ませる台詞は秀逸だった。正確に引用していないので、ニュアンスが伝わるかどうかは謎だけど。

 

 

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