ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

「中の下」を生きる

 

川の底からこんにちは [DVD]

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 満島ひかりは、このごろでは、瀬戸内寂聴の半分自叙伝めかした、『夏の終わり』で小林薫をぐいぐい引き摺った好演で評判になるほどだけど、この作品の前半部分では、まえにみた『麦子さんと』に出てくる母親たちと同じくらい、周りの男とか状況とかにいいようにされる、歯痒い存在を演じている。

 

 方言から類推できないので、それがどこにあるのかはわからないけれども、しじみの獲れる汽水域の町、そこに主人公の実家が経営する工場があって、東京で派遣社員としてつとめていた会社の元課長であるボーイフレンドとその学齢前の娘がむりやりくっついてくるかたちで、23歳の満島ひかりは、5年ぶりにそこへ戻ってきた。

 

 肝臓を患った父親と役場に勤める叔父、経営の行き詰まった工場と手強いしじみ漁師の妻たちであるパート従業員が待ち構えていて、ほどなくしてボーイフレンドは、自分の娘を主人公のもとに残して、主人公の幼なじみと一緒に東京にUターン出奔を華麗に決める。

 

 あとはもう、げらげら笑うしかない展開で、きっと iTunes Store でも借りられると思うので、今日辺り凹んだ気分の人にはお薦めです。