ぴょん記

こつこつ憶える

二泊三日春の旅

 じつに物憂い約束が目前に迫り、気候の影響も受けて、昨日(※とは書くものの、正確には少し前のこと。)は、終日、心理的にのたうちまわった。厭ならばはなからその関係に入っていかないことで、そもそもこれはあなたが選んだことでしょうという非難を予め避けてきたけれども、この約束ばかりは、キャンセルすることがなかなかに難しかった。たとえ泣きながらであっても、果たさねばならない種類のもので。

 

 と、後日日記で、いくら勿体をつけてみてもはじまらない。いつもの化学療法を受けるために二泊三日の短期入院の予約が入っていたのだ。朝、がらがらとスーツケースを引き摺って入退院受付に行き、病棟に上がって昼ごはんから給食を出される。化学療法が始まるのは、翌日の朝からになるけど、それまでに検体採取や写真撮影などがいろいろ予定されている。点滴が始まってからも検査は続く。痛みや痺れといった自覚症状がないだけで、わたしの身体が自己紹介するいくつかの数値は、ときには非常識な大きさを示すことがあるらしいので。

 

 短期入院について、とくにここが厭だとピンポイントで指すことは難しい。医療スタッフは優秀だし、病室の窓からの眺めもよい。21時消灯というのは、19時には寝てしまう身体には楽勝だし、6時起床も問題はない。食事に関しては、これどう考えても1600キロカロリーの食事と違うだろうという淡泊なものが出てくるけれど、そもそもそれさえ全部食べきれないので足りないということもない。

 

 では、短期入院は、どうしてわたしを悩ませるのか、のたうつまでに。

 

 この療法は、薬剤の投与後、およそ2週間で、たとえば白血球の数が投与前と比較して半減する。薬剤の名称を記載しないのは、同じ薬剤でも異なる療法に用いられることがあるし、たとえわたしと同じ疾患のひとでも治療法が異なることがあるから。単純に比較の対象にされて生命にかかわる危険を招来するおそれが多少なりとも存在する限り、病気やくすりの名前を書くのは避けたい。

 

 つまり、効くことは効く、たぶん効いているのだろうが、副反応めいたものもあって、それなりにきついのだ。世の中には、もっときつい治療があって、ひどい副反応を承知のうえで、それでも果敢に治療に向き合っている患者さんたちも多い。それらに比較したら、わたしの受けている化学療法は、副反応も穏やかなものなのだろうが、それでも通算10回を数えたあたりから、けっこうきつくなってきて、今回で一応お休みときかされたときはやれ嬉しやと思ったものだ。