ぴょん記

こつこつ憶える

劣等感と権力と

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 今年は、夕顔の種を播かなかったのに、土に落ちたのが発芽して、昨夏のものよりはずいぶん小ぶりではあるが何輪もの花が咲いた。F2なのだろうか。

 

 

 

 iTS のレンタルで。アメリカ連邦捜査局を創り育てたフーバー長官の半生記。吃音その他の劣等感の克服に費やされた少年時代、満たされない思いへの代償として権力の掌握と維持に努めた青年時代から壮年、老齢に至るまでの約50年にわたる時間、そして彼を支えた女性秘書と副長官、母親の物語。

 

 フーバー自身は、合衆国を共産主義の脅威から守ることを大真面目に自分の使命として捉えている。その志は、かつて妻にと望んだミス・ガンディや、密かに相思相愛である副長官には十分に理解されている。ただし、目的の達成のためには手段を選ばない態度、特に、憲法を無視してまでも、盗聴をはじめとする違法な捜査手法を選択することに躊躇しないフーバーの姿勢には、さすがの側近たちもしばしば言葉を失ってしまう。

 

 主人公が、もともと優秀な上に努力家で、でも、競争心が旺盛でとにかく嫉妬深い厄介な人物なので、スマートな1920年代から70年代までのモードがさりげなく提示されている画面であるにもかかわらず、全編通して熱っぽくて息が苦しくなるほどだった。

 

 こういう人も、あの時期のアメリカには、何万人も何十万人も入り用だったのかねえという感想。