ぴょん記

こつこつ憶える

アルゴ

 およそ35年前、テヘランのアメリカ大使館が学生たちに占拠される直前、スタッフであった6人の男女が大使館を出て、カナダ大使の私邸に保護を求めた。抜け出してきたアメリカ大使館のほうでは、人質となった大使館員らのリストアップが行われ、本来いるべきなのになぜかそこにいない人間についてもやがて判明すると思われていた。スタッフの写真は保秘のため占拠直前にシュレッダーに掛けられていたが、その紙屑から写真を復元するのにイラン側はこどもを起用した人海戦術をとって実に粘り強い作業を続けていた。

 時は過ぎ、カナダ大使の私邸へもだんだん締め付けがきつくなり、6人のアメリカ人がイラン革命軍に身柄を押さえられるのも時間の問題と思われたとき、人質救出のプロフェッショナルであるエージェントがひとつの救出作戦を立案する。それが、「アルゴ」という、SF映画の製作に名を藉りた、誰もがそれは無理筋じゃない?と首を傾げるような計画だった。

 国家の「大義」や「威信」のためとかいうんじゃなくて、風にそよぐ弱い葦のような、とても弱い立場に置かれた人間を救うために自分の命を危険に晒すというのは、文句なしになにか胸にぐっと迫るよなと感じた。それにしても、ベン・アフレックも、えらい大人になってしまったなあ。