ぴょん記

こつこつ憶える

『わたしを離さないで』第5話まで

 原作でいうと、ノーフォークでトミーがキャシーに例のカセットテープをみつけてあげる場面まで、かなり原作に忠実にドラマ化がされていた。ドラマの中身は、臓器の提供を予定された若者たちがごく限られた時間のなかで希望や愛、憎しみなどさまざまな感情に翻弄されるというもの。ドナーとして、たいてい3回か4回の臓器の提供を経て死んでいく若者が、社会のなかで暮らしながら、自分たちの先輩の介護に当たったり、提供の順番を待ったり、そうした義務を従容として受け容れるものかというのは深く追究しなくてもよい。それをいうならば、わざわざ複数回に分けて提供という外科手術を施すことで、感染リスクを高め、回復コストを増やす理由も詳しくは説明されていない。さらに、この臓器移植のドナー不足を大きく改善させるシステムが、どのくらいの規模で運用されているのかもぼやかされている。おそらくそういう枠組みについては細部までの書き込みは無用と判断されたのだろう。キャストについては、コテージブラウンの管理人の梶原善や、旅先の古着屋の店長の大友康平が、主人公たちに示す露悪ややさしさがドラマに厚みを加えている。また、山野海、白羽ゆり鈴木梨央という、『八重の桜』出演者らの懐かしい顔も。