ぴょん記

こつこつ憶える

「それは姫路の富だもの。」

 泉鏡花天守物語』の中で、白鷺城のいちばん上に住まう美しいあやかしが猪苗代からやってきた妹分の、「姉様、お涼しい!」に応じていう台詞。富姫は、生きている間は庶人の女であったが、その美貌を狙われて非業の死を遂げる。そののち、文字通り高いところから人の運命を左右する強い力を身につけて、城の下のほう、つまり現実を支配する武士の社会を翻弄する。こういうふつうの人間では制御不能な力というものがあるという前提でないと収めどころのない問題というのがあるのではないかとつくづく。/自分のところも、そして、相手のところも、無駄に消耗させないし、もちろん、命や健康も損なわないようにするというのは、ふるくて、あたらしくて、大切な考え方で、温かい汁物と清潔な乾いた毛布をそれらを必要とするなるべくたくさんの人に届けられるような仕組みを21世紀なんだから考えていけるといいなあ。