ぴょん記

こつこつ憶える

きわめて公的な私的生活

 フランスの王様が寝台で公事を決裁していただとか、支配者の房事に関わる記録が微に入り細を穿って記述されていただとか。ことほどさように、公人の寝床は、国の政や民の暮らしに直結する。一方、その民草のほうはというと、吉原の花魁を金と時間と手間の掛かる道中の果てに茶屋で待つ客の座敷に揚げるのだって、その膨大な経済行為の目的は、ごくごく私的な欲望を満たすことなんだなあ、と。ともかく、庶人の性的欲求は、ほどほどに隠されて、あまり飾られないほうがいいような気がする。

 

大奥 13 (ジェッツコミックス)

大奥 13 (ジェッツコミックス)

 

 

 阿部正弘が、ここで描かれる異世界では、女性なんだけど、まるで吉宗に仕えた加納久通の再来であるかのような利け者ぶり。それが、表紙の右の人物。では、左の花魁らしき人物は誰か、という謎も読めば解けていくわけで、この巻はほんとうに面白かった。

 

 

月刊flowers(フラワーズ) 2016年 06 月号 [雑誌]

月刊flowers(フラワーズ) 2016年 06 月号 [雑誌]

 

 

 岩本ナオ『金の国 水の国』が最終回で、心優しい王女様と、賢く頼りがいのある若者とが「その後」どのように年を経たかが犬の大きくなりっぷりで示されていて好ましかった。7月に単行本が出るそうだ。