ぴょん記

こつこつ憶える

高学歴で低賃金な「彼女」について

  きのうブックマークしたウェブ記事のひとつ;

高学歴で低年収、33歳女性の明るすぎる貧困 | 貧困に喘ぐ女性の現実 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

労働市場の過酷な一面と、彼女自身が抱えるこころの問題と、大人の女性としての性的な選択が一気に示されていたので目まぐるしかったけど、より多くのお金を稼ぐためにはこの人は苦手なひとづきあいせにゃならんのね

2016/05/11 09:50

 

 要旨は、以下の通り。大阪大学修士課程を修了して大手企業に就職した現在33歳の女性が、幼少時からいじめに遭いやすく、その企業も7年ほどでパワーハラスメント等を理由に退職。その後、介護職に就くが、その職場は、デイケアにオプションで宿泊が付くという、長時間の重労働が常態化したところで、人間関係も劣悪で3年で退職。そこで彼女は同僚らと性的関係を築くことによって、自分に対する相手の態度を和らげ、あまつさえ、その態度の劇的な変化を楽しむようにさえなった。介護の現場を離れた彼女は、現在は、食品工場でパートタイマーとして働くが、性的に奔放な生活は変わらず、目下のボーイフレンドは、50歳年上の男性である。

 

 ……まあ、この女性が実在の人物であることを前提としていえば、成人して久しい女性が自ら選んだ相手と情交することや、特定の宗教の熱心な信者であることは、憲法を引き合いに出すまでもなく、まったくの自由だ。若さや美貌、性的魅力でもって他者を操ろうとすることは、その道具の効果が薄れてきたときにさぞかしつらいんじゃないかと思うが、かしこい女は自分が老いたときを見越して、まるで使い魔のように繰り出せる牝鹿のプールを拵えていたりもする。この「彼女」にはそこまでの展望とか計画性などはない。

 

 では、この記事の女性の何が問題視されるのかといえば、むずかしい大学の、しかも大学院の5分の2の課程まで勉強して大手企業に就職したのに、理不尽な目に遭ったことで会社を去らねばならなくなり、学校を出て10年後、経済的に困窮しているところだ。その「理不尽な」処遇については、精神的に病んだ末に感じた幻覚のなせるわざではないかという指摘も一部にはあったが、わたしは、現実にそういうひどいことばを吐く人間がいること、そして、それが必ずしも稀ではないことを知っている。企業のなかで、大人であるだけに巧妙に取り繕うことを覚えた相手が繰り出す陰湿な暴力に、立ち向かうにはものすごい労力を要する。そこを離れて、もとの職以上の待遇の仕事場に移れる人はいいが、昨今ではむしろそうでない人のほうが多いだろう。きつい介護職の3年間を経て、さらに収入の低いパートタイムの仕事、阪大の修士課程まで出ているというのにという視線……。

 

 でも、たくさんつらいことがあったのに、この彼女、ちゃんと稼いでひとりで自分の生活を賄っている。そして、知的な能力は十分高いと思われるので、もっと銭を多く稼げる、条件のよい仕事に就こうと本人が決めたらそれもけっして無理なことではないだろう。ただし、そういう仕事には、固定した人間関係をなんとかうまく取り捌く、そこまでいかなくても、侮られないくらいのこわい顔をしてみせる、ぐらいの面倒がついてくることが多い。それがまた彼女にはつらいのだろうなあ。

 

 ともあれ、叩かれやすい人間でものんびり生きていける職場や社会というのがわたしの理想なので、わたしは、この「彼女」について、否定するようなことはほとんど思いつきませんでしたわ。

 

 

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