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ぴょん記

まじめにはたらく

軟着陸したい

 もめるより饅頭でも食べているほうがずっといいというのが年来の持論で、その根底にあるのは、わたしは殆どの人とは分かり合えないし、また、分かり合う必要もないという思いだ。失礼なことをされても、相手がそうするからにはそれなりの理由があるのだろうと早めに諦める。こわもてして無闇に頭を下げられるよりは、浮かれた脇の甘い中年女だと軽くみられるほうがましだ。それを大前提として。

 

 ハンナ・アーレントの著書を繙くまでもなく、わたしたちは、悪の凡庸さには十分に倦いている。テレビで、知的障害をもった人の親御さんたちの団体の代表者の皆さんが、お子さんたちの希有な純粋さについて述べる。それを観て、わたしは思う。たとえそういう美質を欠いているとしても、生まれてきた以上は生命を全うするべきなんです、それなのに親御さんにそこまで言わせてしまう状況を招いてしまって、なんとも、と。

 殺傷事件のあった施設の正門前に設けられた献花台に花を手向ける人たちの中に、「わたしも精神疾患をもっているので」と前置きしてコメントを述べる方が複数いた。知的障害精神疾患との関係はパラレルなようで複雑そうだけど、ともかく精神疾患をもつ方が今回の事件において被害者の側につよく心を寄せ、祈りを捧げるに至った経緯は想像に難くない。

 くだんの「壁か卵か」の初出時にはほとんど意識していないかったのだが、今回ばかりは自分は卵であるとつよく宣明しよう。虚弱な身体の持ち主だけど、それでも、できることは幾つもあるはず。

 

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