李氏朝鮮の第21代国王英祖の時代に縮小された役所に尚衣院があり、この映画はその尚衣院が大規模に営まれていた時代の物語である。生母の身分が低いばかりに宮廷のなかで引け目を感じて育った王は、兄である先王に譲られたかたちで娶った王妃に心を開けない。長年の功績によって数ヶ月後に両班の端である従六品に叙せられる予定の尚衣院の長と、妓女をはじめとする庶民の女たちを美しく装わせてきた新進のデザイナーが、互いに触発し合いながら宮廷の内外の人々の衣服と意識を革めていく。
両班に昇格したらこんな服を着たいと呟く老師に、それならこんなふうにしたらきっと月のウサギも感心しますよと答える若者。そのことば通りの衣を思わぬところで目にした老師の瞳に浮かぶ涙。衣服と意識、装いと権力との繋がりがじわじわと観る者の心にしみ込む。
個人的には、家でDVDを観ていて1回も中断せずに終いまで通した初めての作品です。ぜひ日本語吹替版も出してほしい。
I got up at 4 in this morning,and watched DVD,cinema about dress maker department in Korea about 300 years ago.Very interesting! Saniwon
— pyonthebunny (@ae_pyonpyon21_j) 2016年8月20日