ぴょん記

こつこつ憶える

大きな物語の収斂

 

 

 

 

 それぞれ特色ある13の区に分かれたドーワー王国という架空の国。そのドーワーの第2王女であるシュネー姫がお付きの武官とともに海難事故で王宮から消える。その約35年後、齢百に垂んとする国王の生誕を祝う宴に、ACCAの監察課副課長と、その妹の姿があった。このACCAという組織は、警察と郵便と交通を管掌する大きな役所で、なぜか長官が5名いる。さびしいけれども役目のために堪えなければ、という登場人物の個々の思いが凜々しく読む者の心に響く。ドーワー王国の歴史という大きな織物の経糸にそれぞれの生活史があり、緯糸にはいくつかのイベントが配置されている。それは、とても豪華なタペストリーだ。終幕の大きな式典は、その織物が一区切りついた場面である。物語の中の人々の人生はこれからも続くだろうけど、とりあえず、たいていの謎は解けた。

 なお、最後の最後で、やはりわたしも、ええっ!と驚いてしまった。これを正月休みに一気に読み込める人がうらやましい。