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ぴょん記

こつこつ憶える

気難しさ

 その話はわざわざ広めてくれなくても結構、という程度のことがある。たとえば、ちょっとした失敗。図書館の返却期限に1日遅れてしまったというような。それを顔に見覚えがあるかないかの際のような同級生が知っていた。わたしはその延滞を週に1回、お昼を一緒に食べるあの人にしか言っていないけど、なぜかその同級生はそれを知っていた。「週に1回お昼を一緒に食べるあの人」には、殆ど悪気はない。図書館の延滞、離れたところに住む弟のインフルエンザ罹患、今年は新しいコートを買うのをやめたこと、どれもわたしについての小さな情報。わたしもわざわざ「あの人」に告げることもなかった、そのくらい小さな話題。売られたわけでも裏切られたわけでもない。それでもひっかき傷が絶えず生じる、「あの人」との関係。