ぴょん記

こつこつ憶える

竹光でお腹を召す凄まじさ

 2011年の三池崇史監督作『一命』を観た。江戸時代初期、改易された大名家の家臣であった海老蔵は、幼い娘と、病死した朋友の忘れ形見の男児を連れて、浪々の身となる。やがて成長した娘である満島ひかりと預かり子の瑛太は結婚して一児に恵まれる。が、十有余年にわたる浪人暮らし、満島ひかりと愛児がともに病に倒れ、医者代を得るために瑛太は井伊家上屋敷の門を叩くーー。

 この作品で扱われている狂言切腹とは、食い詰めた浪人が大名の江戸屋敷に現れ、もはや生計を立てる手段を失い万策尽きたので切腹したいから武士の情けにて庭先を借り受けたい、と述べるところから始まる。大名家の家臣としては、自分たちの管理する領域を死穢に触れさせる面倒はなるべく避けたいから、死ぬなんておっしゃらずなんとか気を取り直してくださいよと3両かそこら包んでもたせることになる。瑛太もまた、それを目的として、井伊家を訪れたのだけど、なぜか井伊家の対応は彼が予想していたものではなく、まず、風呂を勧められる。

 いつもは粗筋を書かないのに、今回はかなりストーリーそのものに触れてしまった。1960年代に映画化されたものは観ていないが、原作を読んでいるので筋そのものは予想できた。侍の世界の、扶持を離れたあとの暮らしの苛酷さが身に沁みるものがたりであった。

 

  わたしは、アマゾンプライムで観ました。

 

一命

一命