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ぴょん記

まじめにはたらく

『相棒 劇場版 -Ⅳ-』

Werk Kino

 杉下右京警部の4人目の相棒である冠城亘巡査について、転職前のキャリアと現在の能力からして、給与が物足りなすぎるのではないかと思ったり、ふたりの行きつけの小料理屋「花の里」は、どうやってお金を回しているのだろうかと考えたり、とにかくつまらないところばかりが気になるのがわれながらもったいない。

 さて、劇場版4作目のテーマは、「棄民」。海外で拉致されて身代金要求が政府に宛ててなされたというのに無視された少女、国策で南洋開拓のために一家を挙げて移住したけれど激戦下、現地で見捨てられた少年。国際的スポーツ大会で「威信をかけて」闘われ、勝利が得られれば讃えられる「国家」と、それをしても許されると誰かが判断すれば生身の人間を犠牲にすることさえある「国家」は、同じもののふたつの顔にすぎないのですよ、と静かに語りかける。

 テレビドラマはふしぎだ。ごく一部の熱心なファンにだけ愛されればそれでいいという性質のコンテンツではないので、どうしても大きめの公約数が得られるような内容に落ち着くことが求められる。もっとも「相棒」は、そんなドラマの中でも、わりと癖のつよい部類に属するといえるだろう。正直なところ、わたしも家族がわりと熱心な視聴者であるから近作になってようよう観るようになった、にわかを超えるにわかである。それでも、十分楽しめた。