ぴょん記

こつこつ憶える

むずかしいまんが

 ごく短期間に何度も読み返すまんがもある。白井弓子の『天顕祭』は、350余ページを読み通してすぐに頭に戻ってもう一度読んだ。さきに番外編の『菩薩の山』を読んでからだったので、本編が、この菩薩を遠い奥山に隔離せざるを得なかった原因である「汚い戦争」から長い長い時間を経たのちの物語であることはわかった。建築足場に竹を用いるという大陸の技術が持ち込まれて、ぼちぼち除染が進んだ都市や群落に住民が増え始めてきたころだ。ひとたび「汚い爆弾」が投下された地点に、また人が住み始めるようになるのがとてもはやいことをわたしたちは知っている。好むと好まざるとに関わらず、人間はそこに住み、新たな生活を紡ぎ始めてきた。

 ところで、このまんがだけど、頭で理解できる因果の流れですべてが説明できるものではない。そのあたり、西洋の学者が前世紀の終わりくらいに一般書として出してかなり版を重ねたという、あの神話学の本などに書いてあることかもしれない。面白いか面白くないか、また、好きか好きではないかと問われても、答えに詰まる。

 

天顕祭

天顕祭

 

 

 

 

菩薩の山: 『天顕祭』番外編

菩薩の山: 『天顕祭』番外編

 

 そうそう。昨年、月刊フラワーズのある号が売りきれになって、小学館がその号だけKindle*1を出したことがあった。その号では、萩尾望都ポーの一族』の新編「春の夢」の連載が再開された。それがこのほど単行本にまとまるそうな。

 

 わたしは、萩尾望都の初期の作品を『ポーの一族』も含めて読んでいないので、間の空いた連載ではストーリーを追うことすら難しかった。この単行本と前後して、『ポーの一族』もまとめて読みたい。

*1:フラワーズは、物理版をアマゾンで買っているので、いっそ毎号Kindle版を出してほしい。