もし、紫の上が「對の御方」ではなく、六条院の春の御殿の中枢である寝殿を本拠としていたら、父宮の妹女御の姫宮で、つまりは従姉妹の間柄である朱雀院の女三宮の降嫁は避けられただろうかとふと思った。尤も、そのあたりは六条院のこころひとつで決められることではあるし、出家を前にした朱雀院としては確たる後見もない女三宮を生前贈与の財産だけもたせて手放すことなどできないわけで、遅かれ早かれ紫は六条院の家刀自の役目を離れ、二条院かどこかへ身を引くことになったことだろう、結局のところは。
Z会の『漢文法基礎』という参考書があって、これが講談社学術文庫に収録され、いまは大学の教養課程などで採用されているそうな。
高校生当時、読むには読んだけれども。