ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

『イシュタルの娘』第16巻(完結)

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 実在したことはほぼ確実なのに、履歴の詳細の伝わっていない歴史上の人物など山とある。NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国』で、重要な歴史の転換点、その節目節目に必然性もないのにヒロインのお江がいることの不自然さが放送時たびたび指摘されたが、あれを史実に忠実に描けば、お江は城の奥にじっと据えられていてあれがあったこれがあったと人づてに聞かされることばかりでテレビドラマにならない。だから、この「小野於通」も、信長秀吉家康をはじめとして、真田家の人々や春日局ともたびたび触れ合う。渡瀬羽林なる夫であった人を近衛信尹と同一人物と設定したこともあり、宮中にも親しく出入りする。全64話のどれもが、まるでオペラのガラを観るように美しい。一度にすべてを扱うのは無理でも、これを映像作品に仕立てて、よりたくさんの人にぜひ観てほしいと思う。

 

 

 

 

 

 ※14日午前現在、1巻から3巻までが0円だったので、物理版をもっているわたしもKindleで「購入」しました。