ぴょん記

上古文学、外国語、数学、調理、編みもの、縫いもの、競争法

関東煮ループが止まらない

 台所の隅に、シャトルシェフと土鍋の身と油を入れて蓋をした天ぷら鍋を重ねておいている。土鍋は大小で4個ほどあるうち、無印良品の白い中くらいのがいちばんよく使われる。それに昆布を敷いて、大根、蒟蒻、卵、蒲鉾類に仕上げに餅袋で、きょうが3日め。わたしは、夜しか食べないけれど、家族は朝も量こそ抑えめながらフルラインナップで関東煮出勤。餅袋は、5枚で100円の油揚げを半分に切って割き、四角い餅をふたつにしたのをひとつ詰めて楊枝で口を閉じる。昨日から、佐賀県産の餅米を使った丸餅を使うようにしたら、これが丸ごと油揚げポケットに収まるので、餅袋のカロリーが倍増した。早朝、冷え切った土鍋を火に掛けて餅袋を加えて煮ているうちにだんだん夜が明けてくる。コーヒーを淹れるためのポットのコンロが空いたので、そこで卵を2個茹でる。朝食を終えてから卵の殻を剥いて調味料を足した土鍋に加える。ほかに大根や蒟蒻も。おでん種8種16個入りのは、税込278円という驚きの安さだけど、すでに2袋も時間差で使ってしまったのでもう足さない。

 わたしが狸の子として生い立った山里では、筑前煮に近い煮物を旨煮と呼んでいて、たびたび寄り合いがあったので、婦人会のメンバーである母に連れられて、よく調理場に行き、旨煮をはじめとする大量調理の手伝いをした。里芋の皮を剥くような単純作業しかできなかったけれど、直径が40センチくらいの大きな鍋を幾つも並べておばさんたちが賑やかに酒も砂糖もたっぷり入った煮物を拵えるのをみていた。母は狸であったけれど、ほかのおばさんたちも猿や狐や熊であったから、わりあいのんびりとしていた。しかし、とうとうその山里を離れる日が到来して、以来、母は狸であることを秘匿して人間の奥さんのような顔をして移り住んだ城下町で暮らしている。

 というわけで、いったん始めた関東煮がなかなか終わらないのは、山のけものの村にいたときにひっついたミームのせいだということにしておこう。

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新調した靴下をはやくおろさないと春になってしまう