ぴょん記

上古文学、外国語、数学、調理、編みもの、縫いもの、競争法

とっくりと聞く

 「徳利と菊」と、まるで料理屋の二階の小座敷のような画が脳裏に浮かんだが、それはそれとして。電話で今週だけでも3回、通算で6、7時間、ある人の話を聞いて、なるほどふつうに連絡しているだけでは触れることのできない感情の襞とか人と人の関係の機微など少しだけ知った。

 以前にも書いたことがあるけれど、わたしは、自分が何らかの不本意な目に遭ったとき、たいていは先方がわたしのことを嫌いだったりよくする義理を感じていなかったりするからそれはもうしかたないんじゃないかと黙って引き下がることが多い。簡単な注釈をつけておくと、自分のことは、数年前にかなり珍しい難しい病気に罹患したものの、それまでは労働に向いた身体に恵まれていたし、平均的な教育を受ける機会も得て、人類史上かなりいい環境で暮らしていると思っているがゆえに、いまでもわりとあきらめがよいのだろう。だから、自分に不当な扱いをするからといって、誰かを指弾したり、反対に自分の行いに過ちがあったのかどうか何度も振り返ってみたりすることがわりと少ない。建設的に反省することはもっと増やしたほうがいいのだろうが、それはまた別の話。

 とりあえず、以上はわたし個人に限ったことなので、別の人の、特定の第三者らからもっと大事にされたいという願望は、充足するにせよ圧縮するにせよ、どうにかしないと当の本人がいかにも苦しそうなのである。なにしろ長時間話を聞いていただけのわたしですら、夜中に眼が覚めて苦しんだりするほどだから。

 

  日本でいうと、桶狭間の合戦から長篠の合戦くらいまでの時代なのかなあ。