ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

死んでいるのも同然

 わたしがいないところで、わたしについて、明らかに喋りすぎる人がいた。友人である間は、礼儀正しく、しかし、きっぱりと、わたしは自分の予定、嗜好、読書傾向その他について、素性のわからない会ったこともない人に知られるのを好まないと伝えた。相手は、わかりましたと答えた。しかし、残念なことに、2度、3度と同じことを繰り返した。そして、こちらに実害が生じた。ゆえに、やんわりとフェードアウトするのではなく、明示的に、これまでお友達でいてくれてありがとう。お元気でご活躍なさいますようにと伝えた。そのあとは、もう、その人は友人ではないのだから、なにをしようが関知しない。

 これは、挨拶さえ返してくれない、冷たい瞳の数々によって培われたわたしの処世術だ。陰口をきいたり裏切ったりといった、そういう敵対的な態度をわざわざとらなくても、人は排除されることがある。わりと競争の熾烈な受験校にいたこともあるし、夜の商売ではご贔屓の人数、指名の回数がそのままギャラに反映されるわけだから、よい結果を出せば、上からは評価されるが朋輩からは嫉まれる。だから、人との関わりを向こうから狭められたり閉ざされたりすることに慣れるとともに、凡夫としては、自分もいつしか同じようなことをするようになった。すなわち、何事かをきっかけに、それまで親しかった誰かと、自分から別れることだ。

 そして、今日、気付いたことなんですけど、人は、性的な意味抜きで、テンポラリーに殺される、死んでいるのも同然の状態にされるものなのですねえ。

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無印のペン、キャップがなかなか難関。