ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

編みながら観る

 暑いので、サーキュレータに飼育されているなにものかのように、机と椅子から離れることができない。読むか、書くか、さもなくば、編むか。

 

 清瀬団地の賃貸棟に40年来住まう、樹木希林演ずる老女に一男一女があり、姉が小林聡美で、弟が阿部寛阿部寛には、離婚した妻、真木よう子との間にひとり息子がいる。清瀬団地の賃貸について、URのホームページで確認したところ、5階建てでエレベータはないけれど、リフォーム済みの3LDKで、月額5万円ほどだという。作中、樹木希林は、阿部寛に「分譲棟の物件がほしい。」と無理を承知でねだってみたりするのだが、おそらく、分譲棟のほうが広くてきれいで防音なども優れているのだろう。

 是枝監督の作品に出てくる主役格、とくに男性の駄目さには、愛すべきものがあるけれども、この作品の阿部寛の駄目さは、わたしの許容範囲を大きく超えている。必要に迫られて不法な手段で稼いだ金を倍に増やそうとギャンブルに投じてすべてすってしまったりする、繰り返される破綻。これが、大根仁監督作品になるが、『SCOOP!』のリリー・フランキー演じる情報屋のように、かつてはプロボクサーとして鳴らしたが、収監をきっかけとして家庭を失い、薬物に溺れてついには刎頸の友を手に掛けるという、奈落へ真っ逆さまの逸脱ならば、いっそ真木よう子も完全に見捨てることができるのに。リリー・フランキーにちゃんとしろと釘をさされる阿部寛というめずらしいひやりとするシーンもあったが。

 

シャンハイ (字幕版)

シャンハイ (字幕版)

  • Mikael Håfström
  • ドラマ
  • ¥1000

 

 コン・リーのお衣装、きれいねえ、という以外には、渡辺謙演じる田中大佐が、菊地凛子の「スミ子」を執拗に追う理由はうっすら判るけれども、肝心の真珠湾攻撃についてなにも知らされていなかったというのはどうなのかと、設定の荒さのほうが気になった。日米開戦前夜の上海が人間を骨まで食い尽くす魔都であり、そこで我が物顔に振る舞う旧日本軍が鬼のような存在であったという話にしたいならそれでよいだろうけど、話の運びからして、これ、世話物を志向してつくられた映画に見えるのだけれども。

 

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 両端だけ1段で1目増す感じで。緑の加工糸に換えたあとは、増し目なしでそのまままっすぐ。