大晦日の午後から、山田の一家と一緒に有馬温泉の旅館で過ごしたから、元旦の昼過ぎにおうちに戻ったときはなんとなく抜き足差し足するような気分だった。ぼく、それだけ殊勝な心持ちでおったのに、帰って玄関がらりと開けた瞬間に、おかあちゃんがぼくの襟…
大晦日に凡そ20食分の雑煮、元日午前に同15食分の筑前煮が調製された。餅は実家から白いのと蓬のとが山葵由来の防かび剤の詰まった容器で届いた。わたしは合間にめしを炊いて、それを酢めしにして、札幌の佐藤水産から届いたルイベだの三宝漬だのを載せ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。