この巻で、なぜ、亜国の姫である主人公が生国を逐われ、母親の国である「黄」や、その隣国の「曾」に久しく客分として逗留し、親の仇への復讐に備えねばならなかったのかがとうとう明かされる。それは、国の統治権を掌握する者の正統性に関するもので、もし、主人公が男性であれば、そこまでの労苦ははたして要求されていたかどうかとこの作品を読む者はため息をついてしまうかもしれない。ただし、主人公がたとえ男性であったとしても、生母の出身国、つまり、後ろ盾の強大さという点でこの主人公は仇の息子である自分よりも若い王子に劣るので、成長に伴って、いずれ一旦は国の外での彷徨を余儀なくされていたことだろう。
美しい主人公である亜姫が生まれ育った王宮を離れた日からずっと温め続けてきた夢がいよいよ結実を迎えようとする。そのとき、西方出身の従者・薄星は、はたして彼女のそばに控えているのか。物語は、来春発売の第15巻で完結するという。

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