ぴょん記

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小規模事業所の労務管理

 きのう、はてなアノニマスダイアリで、「試用期間を終えたばかりの歯科衛生士、腫瘍治療のための手術と入院のため、1か月の休暇を事業主である歯科医院の院長に申し出たところ、退院後の職場復帰は代替要員の能力如何によっては難しいかもと回答される。」というエントリを読んだ。

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 予想される最悪のシナリオのひとつには、この歯科衛生士さんの抱えている腫瘍がとにかく早めの手術を要する種類のもので(悪性とは限らない。境界悪性や良性だって、たいへんなのもある。)、この歯科医院が医療法人か個人医院かわからないけど、実質的雇用主である歯科医の嫌味を真に受けて入院をせずに身体を騙し騙し勤めているうちに身体が取り返しのつかないことになる、というのがある。

 歯科医はたしかに大都市圏を中心に患者の取込に競争が激化しているといわれる。では、歯科衛生士はどうだろう。この歯科衛生士さんがこの歯科医院を辞めて、自分の入院治療を経て、さて、社会に復帰しようというとき、そこに仕事は十分にあるのだろうか。人手不足ですぐに見つかればよいが。そのあたりはあまり明るくないのでわからないけど、この人にとっていまのところ一番に希望することは、少々雇い主が嫌味を口にする癖のある人間だとしても、まずはこの歯科医院を休職して、十分な治療を受け、身体の具合がよくなったあと、同じところに復職することなのだろう。

 はたして歯科医師会というところは、1か月か2か月、期間限定で働いてもよいという歯科衛生士さんのリストなどもっていないのだろうか。そして、一般的な地域ユニオンは、こういう小さな歯科医院に勤める歯科衛生士さんの困りごとに、はたして迅速に対応できるのだろうか。それから、こういう場合に、社会保険労務士さんに、相談に乗ってもらうことはできないのだろうか。勤め先がこうぐらぐらしていては、健康保険の関係からしてかなり不安である。

 ふつう、小さな事業所に勤める人の立場は弱い。職歴の浅い、若い人など、特に。かれらは、民法や労働法の入っていかない仄暗いところで、苦しんだり泣いたりすることが多くある。また、そういう事業所の主(この場合は、歯科医。)も、投下した資本の回収やリース代金の支払に汲々として、雇い人の病気休職に対応する金銭的余裕もなければ、人手不足で翌週からの営業の手当もおぼつかないことがある。

 この歯科医院の場合、歯科衛生士の雇用契約の内容やら現地の慣行やらわからないことはたくさんある。ひどい歯科医だとはわたしも思うけれども、この歯科衛生士さんにとっては目下の勤め先の事業主だ。辞めるにせよ続けるにせよ、本人が望む方向で物事が進むよう、ここはひとつ、はてなの知恵の見せどころだ。

 

 

労働契約法 第2版

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