再読のようだ。同じ作者の『お末の死』でも、こどもや赤ん坊が死ぬが、「カイン」でも、死ぬ。赤痢で。山本周五郎『季節のない街』では、節倹に努めた働き者の一家が、三姉妹と母親すべて数年のうちに亡くなる。結核や心臓疾患が原因だが、過労と栄養失調が彼女たちの死を早めたのはほぼ確実だ。
「カイン」は、圧倒的な暴威をふるう胆振地方の自然のもと、強欲な農場主や彼に隷属する小作人たちに対して、こちらも相当に個性的な主人公が昂然と抗おうとする。彼は、働くことは働く。いや、むしろ他人の2倍、3倍働くのだが、妻につらくあたり、隣家の主婦と通じ、大酒をのみ、博打に耽溺し、なにかというと拳で解決しようとする。子を失い、傷ついた馬を手に掛け、農場を追われて出て行く夫婦ふたり、はたして安息の地を見出したのか。
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日曜日は、留守番だったので、冷蔵庫の前あたりの堆積物を仕分けして処分した。70リットルのごみ袋に2つと段ボール箱がたくさん。夜のうちに集積所にもって降りたかったけど、夜は物騒なので朝まで待った。