ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

海野つなみ『スプートニク』

 海野つなみ作品には、わたしは講談社系の漫画雑誌を定期購読していないので、単行本を買い集めることで親しんできた。やや大人っぽい高校生たちを描いた『回転銀河』の連作など、タイトルや作者名から、どうしても大好物の回転寿司を連想してしまうけれど、それを抜きにしてもよい作品だった。そして、後深草院二条とはずがたり』を漫画にした『後宮』。杉本苑子瀬戸内晴美の手によって、ああもう二条あんたしっかりしなさい!と、男たちの権勢欲と色欲に翻弄されるうら若い上臈女房の心細い姿をこれでもかこれでもかと見せられてきた目には、細いながらに背筋をまっすぐに伸ばした、まんがの二条さんは爽やかに映った。尤も、原作が本人の述懐、回顧をもとにしていることを前提にすると、雲居のあたりばかりを相手にした恋愛において自分を強かに描写することはそもそも考えられないのだけど。

 その後の、『逃げるは恥だが役に立つ』のヒットとドラマ化を経て、短編『スプートニク』が発表された。シビアな現実に囲まれた、緩くて優しい世界。それが、人生を旅する仲間と過ごす時間の中から生まれる。

 

スプートニク (FEEL COMICS)

スプートニク (FEEL COMICS)

 

 

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ゆうべはキムチ鍋