ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

春の最中のつれづれ

 土曜日。朝のうちに湯を張った浴槽に浸かり、温まってから上がった。ごくたまにお湯に入ると、ほんとうにお風呂はありがたいと思う。冬の間、普段は、お湯をたくさん沸かしておいて(沸かす、といいながら、42℃ぐらいの温度。)、シャワーを浴びて、ときどき浴槽のお湯を小さな洗面器で取って浴びる。半袖で過ごせる季節は、シャワーの湯量がたっぷりあるし、浴室も寒くはならないのでお湯の準備はいらない。

 オートロックになったり、共用廊下のクロスが頻繁に取り替えられたり、この住宅のだいたいは、貧しげでもなく、むしろ親切なくらいなのだが、家のなかは、まだ平成になっていない部分がいくつもあって、そのなかでも浴室は、わたしが6歳のころ、しばらく住んだ借家の風呂が、これまで住んだ家の中ではいちばん近い。実際、年式も近い。そのくらい古風なのだ。ここの湯船につかってゆっくりしていると、その借家にいたころの、まだ30代半ばの両親が低い声で喋っているのが聞こえてきそうだ。父は誰とでもよく話すが、母は万事控えめなほうだった。そして、父と母は、実によく、ふたりだけで話していた。この年になってやっと、あれは、惚れた腫れたはないけれど、ほんとうに仲がよかったのだと思うようになった。

 

マージナル(1) (小学館文庫)

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マージナル(2) (小学館文庫)

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マージナル(3) (小学館文庫)

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  パンを買いに少し遠出して、帰りにファミリーレストランでステーキと、チーズグラタンを食べるという暴挙に出たけれど、帰宅してしばらくしたら、パンにも手を出してぺろりと平らげてしまった。

 風呂は、腹が空く。