ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

二十歳の肌に戻れない、けど

 今年になってからやっとBBクリームを塗ることに踏み切った。それまでは、なかなかBBクリームに顔を委ねる勇気がわかずに、下地で顔の皮膚表面を整えてから粉を置く方法に拘っていた。よほど以前のリキットファンデの化粧直しに苦慮した過去が記憶に刻まれていたようだ。あれは、値が張るわりに、厚く毛穴を塞いで、しかもウォータープルーフの約束をけっこうあっさり破って汗取りのティシューの皺の間に逃げていってしまう代物だった。

 いまは、こうだ。化粧水のあと、肌の地色より濃い色のBBクリームを直径8ミリほどの真珠玉ぐらいの大きさで左の掌に取る。右手の指3本ほどを使って、それをすばやく顔に伸ばす。どこまでも伸びる。不安になるほどよく伸びる。たいてい余るので、顎とか耳の裏の下の方に塗る。あとは少しだけ色のつくリップクリームを唇からはみ出さないように塗ったら、それで出掛ける化粧が終わる。どうしてわたしの十代の終わりにこのクリームがなかったのかと残念になるほどの手軽さだ。

 二十代の頃に覚えた化粧を四十代も終わりになっても毎日自分に施している人はどうにも残念、と女性誌の記事で見たことがある。その記事も、おしまいのほうまで読めば、ご賢察の通り、なにかの化粧品かサプリメントとのタイアップ記事のような作りになっているわけだけど、そういう表現は、けっこう深く読む者の心を抉る。とりわけわたしのように、もっと身なりにお金をかけなさいと身内の女たちからことあるごとに説教されるような地味な拵えの者には、塗ってせいぜい口紅程度の化粧は、二十代だろうが七十代だろうが変えようがないのに、世間の目の厳しさを感じて人知れず胸を痛めるのである。たとえ、その批判の主たる標的が、二十代のときと同じ意欲で美しく装おうという気概のある、化粧品に月に5桁の支出を惜しまない層だと知ってはいてもだね。

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ちふれ化粧品はえらい

 たしかに、二十歳の頃の自分と比較すれば、現在のわたしは、紫外線と酸素と化学物質と、なにより経年劣化で、もうばきばきに衰えている。だけど、せめてあと数年は起きて寝て暮らしていきたいものですね。