ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

クラウドファンディングのキャンプファイア

 秋田県大館市にある映画館が、土地建物の買取資金の不足分を公に募って、わずか数日で、かなりの金額を集め遂せた。町の中に映画館があって、話題のロードショー作品がぜんぶ掛かるわけではないけれど、趣味のよい作品、自分の気に入りそうな作品を時間を見つけては観にいけるというのは、若い人のためにも、また、若くない人のためにも、とてもよいことだと思う。個人的には、コーヒーのおいしいカフェ以上に、映画館とは、町にあらまほしきもの、である。

 そういえば、しばらく映画館に行っていない。このごろは、今年に入って、いずれもTOHOシネマズで2回ほど物騒な目に遭っているので、すっかり映画館から足が遠のいてしまっている。暗いところで、知らない人からまるで斬り付けるようなことばをいきなりぶつけられて、ここでは周りに迷惑だから外で伺いましょう、と持ち掛けるのは吝かではなかったが、なにしろ映画が観たくてきているのである。小さいトラブルに拘って、ディテールを見落とすのは勿体ない。だから、そこは一旦負けておくのだが、そういうのに限って、エンドロールが始まるや否や、早々に消えてしまっている。その人が今年買う馬券と宝くじ、ぜんぶ外れればいいのに。

 5月の連休の前半に中国映画を観た有楽町のヒューマントラストは、小さな映画館だったけど、それだけに、わりと穏やかな雰囲気だった。そういうところで、ゆっくり佳作に親しむぐらいがちょうどいい。たとえ直接、わが身に火の粉が降りかからなくても、座席の背を蹴ったの私語をしただのスマートフォンを見ただの、周りで小競り合いがあるようなのは緊張する。ある映画のとき、わたしの隣の席の50代後半の男性は、後半40分、ずっとツイッターみたいなのをしていて、正直迷惑だったけど、なんとか遣り過ごしたことよ。ネットの知人は、お食事持ち込みのレジ袋の音にずっと悩まされていたとか。レジ袋の音、というと、ちょっと思い出すことがあるけれど、映画館とは関係ないことだから、今回は書かない。

 はじめはクラウドファンディングのよい話だったのに、途中から、昨今の映画館の殺伐とした空気について語ることになった。だから、その映画館のお名前はここでは書かない。ツイッターなどで検索してみてください。なお、目標額は達成されましたけれども、補修費などの経費のため、まだ寄附は受け付けているそうなので、どうぞ宜しくご検討ください。

 

妻への家路

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