なんの因果か、ほぼ日5年手帳にも毎日あれこれ記入している。その記録によると、昨年の今頃、『イノサン』『イノサン Rouge』をKindleで一気に読んでいる。どうもわたしは、夏になると、フランスの近世についての史伝、小説、まんがを読みたがるようである。
『イノサン』は、長い。昨年の秋以降も『イノサン Rouge』が単行本2巻分ほどKindleで配信されて、次に配信される巻でやっとヴァレンヌ逃亡事件の顛末とマリー・アントワネットの処刑が描かれて終わりになるかもしれない。絵も、砂糖菓子のように可憐できれいなところ、目映いまでに耽美であるところ、そして、現実を越えてリアルに酸鼻を極めるところと、描き分けられているのに、それらがシームレスに繋がっている。偉業といってよいと思う。
先週末に観た、『ピータールー マンチェスターの悲劇』が、1819年の事件を題材にしているから今からちょうど200年前で、1789年のバスティーユ襲撃は、同230年前になる。パリ市内での殺し合いで多数の死者を出したり、特に恐怖政治の結果としてそれまでより多数の刑死者を出したりして、途中で帝政や王政を挟みながら、フランスの共和制は築かれてきたわけだけど、現在、そこに厳密な意味でのエガリテはあるのかしら。
イノサン Rougeルージュ 10 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 坂本眞一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/05/17
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ツイッターのタイムラインで『独ソ戦』という岩波新書がすごかったと聞いた。これがかなり品薄になっていて、アマゾンで注文したものの、手元に届くのはきっと今月下旬ごろだろう。(16日か17日ごろ届きますと、15日にメールが来ました。増刷できたのでしょうか?)それとは別に、掲載写真とキャプションの整合性についても話題を巻き起こしている巻き起こしているのが、第二次世界大戦中、ポーランドに派遣されたドイツのお父さんたちの部隊の話だ。
戦場に連れて行かれて殺せと命じられるのも、自分のうちが戦場になって殺されるのも、どちらも厭な人ばかりだろうに、実際にそれは起きる。あるいは、目に見えるかたちで血が流れることはなくても、少しずつ削られて、少しずつ干涸らびさせられる。なるべく、そうはならないように、気をつけて、注意深く息をしよう。
増補 普通の人びと: ホロコーストと第101警察予備大隊 (ちくま学芸文庫 (フ-42-1))
- 作者: クリストファー・R・ブラウニング,谷喬夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2019/05/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る