23日になると同時に予約していたKindle版が配信された。わたしは、『ディザインズ』の掲載誌である「アフタヌーン」を購読してないので、第4巻の内容は、すべて初見。この巻でお話は完結するとばかり思っていたら、まだ終わらないらしい。
カエルのHA(ヒト化動物)のクーベルチュールは、殆ど動きがない。オクダ邸にいて、オクダと食事をしたり、幽霊の女と相談しながら、特徴のある彼女の足にしっくりする靴の型紙を取ったり。重傷を負った豹娘は、無事に復帰。返す返すも豹娘のもう一体のほうであるアンの最期が悔やまれる。
一方、キイを欠いた残りのイルカのHA4体は、神出鬼没の暴れっぷりで、キイが亡くなる前にイメージして仲間に送った、象牙のために顔を切り取られたアフリカ象の姿が繰り返し現れる。人間の愚行、生命を資源としか捉えない野蛮に対して、イルカたちが反旗を翻した恰好である。
貝の一種のHAであるアーワンは、オクダ邸の料理人であるロビンさんが心配したように、ものすごいことになっていた。いろんな種類の幼いHAたちをたくさんみてきたロビンさんがああいった以上、アーワンは、十中八九ひどい目に遭う運命に晒されることになるのだろうとは思っていたが、それにしても、わたしの凡々とした想像を遙かに超える酸鼻きわまりない描写だった。
カタストロフ、瓦解、急速に失われるバランス。きっとまた何十回でも読んでしまう、第4巻。
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