ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

環境というもの

 宮崎県出身の若い女性が、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された。離婚後にひとりで養育していた3歳のお嬢さんを大田区の住居にひとり残して鹿児島などへ旅行に出掛けていたという。

 この、3歳のこどもさんの死という結果の無惨さに、人は目を覆い、その子を死に至らしめた被疑者の行為を非難する。わたしも同じような思いで事件の記事を読んでいたが、彼女がもと配偶者から暴力を受けていたこと、幼いときから養護施設で育ってきたことを知った。DV被害者だから、施設で育った人だから、などといっても、被疑者が犯した罪の結果から切り離されるわけではない。ただ、被疑者が幼いわが子をかわいがっていた時間があったことも友人のインタビューなどからも確からしい。

 子どもを身内に預けて(その身内は配偶者だったりきょうだいだったり親だったりすることが多かろうけど)、ともだちと遊んだりときにはお酒を飲みにでかけたりする親は、けっして少なくはない。そして、この被疑者は、自分の子どもを誰かに預ける代わりに、ソファで開かないようにした一間に閉じ込めて出掛けた。これまではともかく、今回の、一週間強の母の不在は、3歳の子には致命的だった。

 わたしには子がないから、どんなにいわれても実子のかわいさありがたさは本当の意味では理解できないだろう。でも、老いたりといえども、以前は若い女であり、幼児であったこともあるので、取り残される恐怖も、すべて煩わしく思う気持ちも、自分の過去の中に見出すことはできる。その上で、被疑者に与えられた環境がどれだけ苛酷なものであったか考えてみてほしいとのぞむ。

 

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  それはそれとして、こどもの生命の危険を探知する権限を自治体担当者に付与しないと、家庭という密室で今後も物騒なことが起こり続けるだろう。

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