住んでいるのは大きなコンクリートの函なので、暑いにつけ寒いにつけ、いつもそれに気が付くのが同じ町の一戸建て住みの人よりも半月遅くなる。それが常だったのに、今年はほとんどタイムラグなしで寒さを知覚できたのは、気候が急激に変化したのかそれとも寄る年波のせいなのか。
大根を炊いたりポトフを煮たり、そういう営みを重ねるうちに秋は深まってくる。
そもそも、例年、わたしがはっきりと初冬に入ったと感じる指標とするのは、外から帰ってきて空調のない部屋のベッドに身を投げてしばらくして寒くてこのままうたた寝しては危険だと判断することだけど、今年に限っては、殆ど外気に触れないので、もう初冬は訪れたということにしてしまおう。