ぴょん記

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『麒麟がくる』第41回

 十兵衛は、伊呂波太夫から渡された、松永久秀遺愛の平蜘蛛を安土の信長に献上する。その際に、久秀に伝えられたという伊呂波のことばをそのままに、平蜘蛛ほどの名物を所有する者の心構えを信長に説く。よかれと思って口にしたその忠告が、信長の忌諱に触れる。実母の愛情を弟に奪われ、帝の信頼を掴むことを得ず、正室帰蝶さえ美濃の里へと去った信長は孤独であった。どんなに努力を重ねても、財を貯えようとも、敵をいくら平らげたとしても、人の心は得られぬことに、信長は激しく苛立っていた。一旦は、平蜘蛛などしらぬと嘘を吐き、そののち、その名物を恥ずかしげもなく持参した十兵衛も、かつては厚く信頼した者であった。今井宗久ならばあるいはこの釜を一万貫で買うだろうか、と十兵衛に言い放った信長の心の苦みときたら。

 久秀の陰謀に乗るかたちで、信長と十兵衛の間に亀裂を作った秀吉は、異父弟という触れ込みの密偵を躊躇なく始末する。間髪を置かず、三河の家康がみやこに置いた草の者である菊丸をも亡き者としようとしたが、十兵衛からの知らせを聞いた菊丸はすんでのところで難を逃れる。落ち行く先は、もとの三河か。お駒さんと一緒に暮らし続けたかったという菊丸の述懐に、まさかの嘘はないにしても、彼らは、皆、当時としてはもうたいした高齢の筈だ。

 次回、十兵衛は、鞆の義昭を訪ねる、らしい。

 

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