ぴょん記

食べる、遊ぶ、学ぶ。

わたしの町の和菓子屋さん

 京都の町には、そのひとつひとつの区画ごとに仕出屋さんと餅屋さんがあると聞いたことがある。職住が分離せず、慶弔や祭のたびに何種類もの料理を煮炊きする広い台所を各世帯がもつ代わりに注文通りの料理を納める仕出屋さん、茶事に供する上生菓子でなく、家族の団欒や気の置けない客人のもてなしにあらわれる餅菓子を日々調製する餅屋さんは、住処から一丁二丁のうちにないことには間に合わない。最近では、これらに加えて平日の昼の食事を簡便に済ませるためのパン屋さんも町内で喜ばれているという。

 一方、こちらは、東京の外れの住宅地。ここを下町と呼ぶ人もいないことはないけれど、もとはといえば、このあたりは農作地で、下肥を江戸の町からもらってきては近郊農業の代表格である菜っ葉などを育てて売っていた。そこに現在のURや都の住宅供給公社が集合住宅を建て、デベロッパーがマンションや一戸建て住宅を建てて売り、だんだんと人口が増えてきたもので、深川や亀戸のようなご一新以前からの本来的下町ではない。

 でも、昨日、わたしが買い物をしようとした和菓子屋さんは亀戸あたりに本店のある、わりと昔の味を残す町の和菓子屋さんだ。豆大福、草餅、団子、上生菓子もあれば、どら焼きも焼き、また、袋詰めの煎餅などは専門店から仕入れている。慶事用に赤飯も炊くので、一人分ふたり分の赤飯、栗ご飯、ばら寿司、稲荷寿司、のり巻き、それに焼きそばなども、早い時間なら買える。遠くから人が買いにきて並ぶような店ではないけれど、味は安定していて、紛れもないうちの町の宝のひとつだ。

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こちらは京都の餅屋さんのもの

 羽海野チカさんの『3月のライオン』の三姉妹のうちが、月島あたりの和菓子屋さんであるのも、なんだか好ましいですね。