ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

『鎌倉殿の13人』第24回

 浄土寺ノ二位と呼ばれた丹後局高階氏。劇中では、後白河院の寵姫と紹介されているが、院の晩年の娘、宣陽門院勤子内親王の生母として、絶大な財力を握っていた。宣陽門院が相続した六条殿の中に長講堂が設けられ、その長講堂にあまたの荘園が附属させられていたので、毎年たくさんの収入があったのだ。これが、丹後局と結んだ土御門通親、その正室にして後鳥羽天皇の乳母の藤原範子、その連れ子の在子が、後宮で、兼実とその娘の中宮任子を抑えられた遠因になったのかもしれない。

 政子の長女の大姫が、「紫式部に会いたい!」と叔父の全成に口寄せを頼んだあたりは、再来年の大河ドラマに対するリップサービスのような気がする。そこで、「徳川家康を呼んでほしい」とはいってはいけないものね。義円をはじめとする、非業の死を遂げた源氏の御曹司らの中にあって、政子の妹の阿波局と結婚して劇中では還俗していない全成は、予言の的中率は5割、祈禱の成就率は0パーセントと自嘲するなど、とてもコミカルな動きが多いけれど、この人も頼朝が歿して頼家の時代になると無事ではいられない。

 今回、蒲冠者範頼の幽閉先に善児が現れて、百姓の夫婦を音も立てずに殺めた直後に、「真桑瓜がいいな」と呟きながら、範頼の胸に小柄を突き立てた。その後、鎌で身を守ろうとした少女を手に掛けようとしてふとためらい……。あの子を善児が養女にするのかな。

 後白河院の側近だった平知康は、頼家の蹴鞠のコーディネーターとして鎌倉へ下り、陳和卿も実朝の船を造りにやってくる。長講堂領は、承久の乱のあと一旦は幕府に取り上げられ、その後、門院に戻されて、持明院統の財産になったりもする。

 

 『軍師官兵衛』の岡田准一さん、『おんな城主直虎』の柴崎コウさん、そして、『西郷どん』の鈴木亮平さんがセンターを演じていて、ほかにも井上源三郎をたかお鷹さん、永倉新八を谷田歩さん。たかお鷹さんは、「13人」でも、岡崎義実を演じていて、よいですね。