ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

『鎌倉殿の13人』第28回

 土地の境界画定が主であったという御家人同士の訴訟を扱うための13人の宿老、それに加えて頼家の側近である若い御家人の子息たちのグループが鎌倉殿を取り巻いて、新しい時代の鎌倉政権が動き始めたようにみえたのに、なぜか第28回の終わりには、梶原殿とその一族が鎌倉を逐われていた。

 梶原景時は、大庭景親とともに、平家の命令を受けて、石橋山の敗軍の将である頼朝を探索したことがあった。嵐の夜、山中の洞に隠れる頼朝を見逃し、その命を助けたことにより、幕府の中枢に迎えられ、侍所のナンバー2として、頼朝の力になってきた人物である。細かいことをいえば、政子や一族の女が鎌倉へ入る際に身を飾った袿の類いは、梶原の妻女からの借りものだった筈だ。

 その景時が、鎌倉を去る。去り際の置き土産が、よりによってあの善児だ。善児が、とにかく手際よく汚れ仕事を片付けることは、義時には、平泉で自分の目で見たことなのでよくわかっている。善児を義時に任せて、景時は、相模の一宮へ戻るか、あるいは、みやこへ上ろうとする。いずれにせよ、二度と鎌倉の地を踏むことはない。

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