ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

明け方、うつらうつらと初秋

 まだ病みつく以前、秋の入り口で早朝覚醒気味になるのは例年のことで、ドラッグストアでセイヨウオトギリソウだったかなにかのサプリメントを買ってのんでは相性が悪いのをしばらくして思い出してやめて、旬日苦しんでいるともう彼岸に入ってよく眠れるようになるのを繰り返していた。いまはそれほど不眠には苦しんでいない。内臓が処方された薬を各所に配るのに忙しく、その分、脳はそれほど働いていない。ただし、木曜、土曜と早起きする用事があって、それを気にするあまり、朝の3時前から1時間おきに目を覚ますというのを珍しく繰り返していた。病気になってからでもときどきは、脳が青い水を湛えた水槽の中にぼちゃんと漬けられたのをイメージするような憂鬱な目覚めを経験していたといま思い出す。そういうことが何千回か試行されたのち、この脳は終わりを迎えるのだろうし、そもそもそういう過程さえもが、厳密な意味で誰にも知覚されることはない。

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