ぴょん記

寒いのは好き、そして春も待ち遠しい

『鎌倉殿の13人』第35回

 りくさんが、梶原や比企のような有力御家人が一族もろとも根絶やしにされた、政範が殺されて、次はいよいよわたしが手に掛けられる番かもしれない、と時政に訴えた瞬間、彼の形相が変わってしまった。りくさんは、一説によれば、平忠盛の室であった池禅尼の姪であるから、時政にとっては、それまでの妻たちの中で、おそらく一番筋目の正しい室だ。都との繋がりの上からも役に立ってくれただろうし、なにより中年の鰥夫だった自分を三十年弱支えてきてくれた。娘も息子も、もちろん妻も、一族がいちばん大事、俺の家族を粗末にするなとかつて頼朝にも啖呵を切った時政であるから。

 ここに花押をと、外でさんざん遊び疲れて帰ってきた12歳の実朝が、執権にして祖父である時政の勧めるままに、畠山討伐のための下文にサインをしてしまった。この12歳の少年に、都からやってきた上皇の母方の従妹である妻があろうと、こどもはこどもである。悲劇的なのは、このこどものサインした下文によって御家人たちが動かされ、「武士の鑑」と謳われた当主を含めた畠山氏が殲滅される未来である。

 和田義盛殿役の横田栄司さんが、大河ドラマ自体は撮影終了しているけど、心身ともに疲労気味で舞台をお休みなさるとか。どうぞお大事に。

網戸越しに少し秋めいてきた空を眺めていた。