ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

鯛がやってきて食べられた

 冷えたこともあって家族の一部に体調不良の波が起こり、わたし自身もぐったりしていた。そこへ、鯛。愛媛で獲れた天然物という触れ込みの鯛。どうしてこんなに大きいのに、本体価格598円なのだと訝しむわたしを置き去りにして、白銀の鱗が、何百枚も台所の調理台に流しに床の上に降り積もるわ。

 三枚に下ろしたのをさっと塩をして焼き物にして出した。弱っていた病人、軽やかに箸を繰り出し、ぺろりと平らげてしまう。わたしたちも同様に、鯛の身の旨さを堪能した。

 夕食後、鍋に入れて冷蔵庫で保存していたアラと、厚めの大きな銀杏に切った大根を圧力鍋であら炊きにした。

 そうやって、二月は暮れていった。