ここ一ヶ月以内に起きたこと。役所の窓口で、ある手続をしていたところ、「それはここではできないので、どこどこ区のなんとかセンターにおいでください。」と言われた。そのなんとかセンターは、そのときわたしがいた役所から電車を1回乗り換えて30分ほどで着く場所だけど、以前にその窓口で行った手続とまさにパラレルな関係にある手続をしていただいている最中だったので、まったく釈然とせず、「ここではできない」というのは事実なのかお手数ですが今一度ご確認ください、と「お願い」してしまった。係の人は、軽く気色ばんだようで、できないものはできない、と呟きながら、それでも先任の別の人に尋ねてくれた。わたしのそばにやってきた先任の人は、まったくできなくはないけれどもと、せんの人とはまたひと味異なる応答で、「できなかなかったらどうかここで済ませてくださいわたしが時間と電車賃を節約できますから。」、と正直に言ってしまった。
その類いの手続で、市中のなんとかセンターに事務処理を集約させようという傾向は、以前から強く感じていた。なんとかセンターにはその事務に特化した処理に長けた出向してきた公務員、任期付の雇われ人さん、ふつうのアルバイトさんがあまた犇めき、予約なしでもぱっぱっぱーと手続を進めてくれるのだろう。
でも、往復で660円払いたくないし、そもそもその役所まで自転車で赴いたわたしの出で立ちは、上のTシャツはともかく、ボトムスがそのまま野良着で、LAQUEのあたりをそぞろ歩きたいと思うものではなかった。
できなかなかったらぜひやってください、というお願いは、ことばの柔らかいこのあたりの役所の窓口では、かなり野蛮に響いたのだろうか。なんとか手続そのものは済ませてくれたのだけど、とても微妙な、恐怖5パーセント、煩わしさ95パーセントの表情で、あとからきた人を加えて、せんの人、先任の人と、都合三人さんに眺められながらなんとか役所を後にしたのだった。
うん。わたしも、できたらそんなことは言いたくなかったですよ。