ぴょん記

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両生類奥さん、現る

 もうじき『ディザインズ』の第3巻が出る。わたしは、同作の掲載誌のほうをチェックしていないため、第2巻の危機一髪なラストシーンからはまったくの白紙の状態で、第3巻を読むことができる。

 さて、『ディザインズ』には、HA(ヒト化動物)として、幾種類かの生き物が出てくる。かれらは、だいたい、たとえば暗いところですれ違ってもただの人間にしか見えない形態をしているので、その感情が、何かを知りたい、誰かを凌駕したい、漠然と目の前のものに恋情を抱く、といった複雑なものでも、少なくとも絵面のうえではまったくおかしくはない。

 ものがたりの中心的登場人物であるクーベルチュールは、カエルをヒト化した生き物で、まず、短編集『ウムベルト』でその幼い日の才能を披露した。彼女は、おおよそ人間の美少女に見えるけれど、その驚異の跳躍力を支える足、とくに踝から先の筋肉は、さすがにカエルらしい。

 クーベルチュールを取り巻く男たちのうち、科学者のオクダ、研究所を経営する企業の創業者一族の五男坊ショーンは、それぞれ優秀だし目端も利くが、なにかが過剰、若しくはなにかが致命的に欠けている。ヒト化されたイルカのランくんはどうかというと、この子には漏れなく仲間の意地悪美少女(しかし、イルカ。)がついてくる。

 戦闘に明け暮れる、クーベルチュールの日常はあまりに苛酷。わたしは、同じ両生類でも美麗でなくてヒトの目には不格好でもかまわないから、川上弘美『みずうみ』に出てくる、「15の8」のように、同族も縁族も知らない種族も傷つけない、無防備すぎる両生類(両生類っぽいのだが、現生人類と99.8パーセントはDNAが一致するというから、ほんとうは、ほ乳類なのだろう。)の奥さんのようでありたい。 

ディザインズ(3) (アフタヌーンKC)

ディザインズ(3) (アフタヌーンKC)

 

 

 

大きな鳥にさらわれないよう

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