ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

Kino

25年後の『不夜城』

台湾の血が半分入った日本国籍の故買屋と、中国残留孤児二世らが、新宿歌舞伎町の華人グループ間の勢力争いに巻き込まれていく話。 そこには、1998年当時の、きれいとはいえないまでも、人間味の残った新宿東口を出て、左に曲がって奥へ奥へと入り込んでいく…

ドラマ『三体』第21話から第25話ぐらいまで

WOWOWオンデマンドで、3ヶ月連続全30話を10話ずつリリースという形式で視聴している、劉慈欣原作のドラマ『三体』。中国語がわからないので、字幕から目を離すとすぐ話の筋が追えなくなる点は、なかなか難しいけれども、わたしは、原作を敢えて読んでいない…

北欧サスペンスは、寂しい幕切ればかりなの

前に、『尋問』という北欧ドラマを観たといった。正確には、『Face to face 尋問』で、警察内部で孤立しているけれど、わりと地位の高い刑事さんが離れて暮らしていた一人娘の死の真相をたどる話だった。そのseason2というか、別個の作品が、WOWOWオンデマン…

カトリン・イェーガーの幼少期

WOWOW Prime で現在放送中の『FBI INTERNATIONAL』Season2 。あいかわらず、司法共助だか捜査共助だかの名目で、アメリカ合衆国の連邦捜査局の捜査官らが、EU各国の街角で、風光明媚な観光地で、つまり国外のあちこちで、連邦法に抵触したおそれのある容疑者…

『シン・ゴジラ』

それでなくとも昨日と今日、ドラマ『三体』の第11話から第20話が、WOWOWオンデマンドなどでファーストランだから字幕を追うのに忙しいのに、朝方から2016年の『シン・ゴジラ』を観ていた。市川実日子や高橋一生が、癖のある技術系キャリア官僚を演じていて、…

『沈黙のパレード』

画面に、上杉景勝と井伊直虎と、坂本龍馬をそれぞれNHK大河で演じた俳優さんが居並んでいて、でもちゃんと現代劇になっているの、当たり前だけどよかった。「きのう何食べた」でも、こういう見方をすることがあって、山本勘助と山本覚馬、土方歳三と、磯村勇…

『三体』第1回から第5回まで

土曜の正午から、まず、第5回まで『三体』のドラマのファーストラン。第2回まで食事室の大画面で観て、あとは自室の小さいPCやiPadで、第5回まで。わたしは原作を読んでいないのだけど、たぶんドラマの構成は原作のそれとは違うのだろう。ひそかに思いを寄せ…

映画も観た週末

熱を出して寝ていたので、Amazon Prime Videoを中心に映画も観た。 峠 最後のサムライ 役所広司 Amazon 幕末の越後長岡藩家老・河合継之助が、戊辰戦争の一隅をなす北越戦争をいかに戦い、いかに死んだかを描いた作品。松たか子が継之助の夫人役で出ていた。…

『EXPO 爆発物処理班』

正味45分くらいのドラマが6話完結でWOWOWオンデマンドで配信されている。イギリス・2022年。 主人公は、爆発物の探知と除去を行う専門職で、もとは軍に所属して、アフガニスタンでの実戦経験もある。これは、イギリスの話だけど、アメリカのFBIものなどでも…

途中で寝てしまうこともあり申し訳ない

京極夏彦さん原作の『魍魎の匣』『姑獲鳥の夏』をWOWOWオンラインで観ていた。『姑獲鳥の夏』が2005年公開で、『魍魎の匣』はその後だけど、ちょっと映画館に足を運んでいる場合じゃない時期だったこともあり、両方未視聴だった。京極夏彦さんの作品は、原作…

わたしも赤紫蘇シロップを作ってみた

ときどき立ち寄るCO・OPの店舗に赤紫蘇の袋詰めがあった。量目にして、約300g。赤紫蘇は、いまの時期、本来は梅干しを漬けるために店にあるが、これを煮てエキスを取り、白砂糖を加えて煮詰めて、レモン汁で戻して赤紫蘇シロップにすることもできる。できあが…

「0.5」による復讐は、遠い道のり/無料配信中らしい

WOWOW連続ドラマWで、昨日から始まった『0.5の男』は、第1話「家族以外と話す」。わりと広いけれども古い実家で、両親ふたりと暮らす40歳の雅治は、外で働くこともなく、ゲーミングチェアに身を沈め、そのシューティングゲームの世界では別格の存在として賞…

『銀河鉄道の父』を観にいった

公開はるか以前から家族と鑑賞しようと約束していた作品。チケットを取ろうとして、水曜はサービスで1200円で観られると知って喜んだ。優待目当てにauスマートパスとか申し込むの面倒だなと思っていたので。 さて、映画館に行く当日の今朝、未明からずっと体…

固定資産税を支払いに出掛ける

最高気温が29℃になるという予報だったが、結果的に15時過ぎにはそのくらいを観測したというから、たいしたものである。とにかく、自転車で出掛ける。 まず、郵便局。20日水曜に発売の切手趣味週間の切手シートを購入するという隠された目的はあったものの、…

『長い長い殺人』

もとは、宮部みゆきさんの原作で、2007年にWOWOWのドラマWで映像化されたものらしい。当時は、なんだかテレビを観ることが少なくて、NHKの大河ドラマで何が流れていたのかさえもあまりよく覚えていない。 それはともかくとして。これが劇場上映作品にカット…

『はるヲうるひと』

この映画のモデルになった、愛知県知多半島付近の島について、わたしの知識は専らウェブ上のノンフィクションかノンフィックション風フィックションで得られたものである。いわく、愛知県や三重県のおよそメジャーな漁どの港からも小さな船で小一時間はかか…

『アイランド』

2019年のアメリカ合衆国、特にロサンゼルスが舞台ということだが、2022年現在、劇中に出てくる空飛ぶ市内交通機関は、おそらくまで実用化されていないのだろう。 ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンが、重大な秘密を隠蔽しようとする組織からの逃…

『ちょっと思い出しただけ』

ダンサーで振り付けも行っていた青年は、足の怪我をきっかけに、仕事をやめる。一方、かつて演劇を志していた娘は、タクシーの運転手として東京の街を日夜めぐる。ふたりは一時期交際していて、それも結婚を考えるくらいの深度でお互いを視界に捉えていたの…

『さがす』

※ 今回は、「ネタバレ」満載です。 金曜の夜から見始めて、途中Wi-Fiの不具合や体調不良などを経て、日曜の午前にやっと見終わった映画。中年男とその娘、青年が主たる登場人物。 物語上は、青年が、「動いている人間」に性的な関心を抱かず、むしろ絶命した…

『凶悪』を観て

一日寝たり起きたりしていたせいか、深夜になっても眠らないでいたので、白石和彌監督作品『凶悪』を観た。同作品は、実話に基づくフィクションで、狂言回しは月刊誌の記者。彼自身、痴呆症の母親の世話をほとんど妻に任せているという重い家庭の事情を抱え…

『人数の町』

タイトルはイプセン『人形の家』のもじりかしらと思って見始めたら、なんとなく不条理、とってもディストピアな内容で、『約束のネバーランド』実写版と同じようにフェンスが重要な役割をはたしていて、彼岸と此岸の境というものが21世紀のひとつの鍵概念か…

『しゃべれどもしゃべれども』

佐藤多佳子さんの原作を読んだわけでもないのに、話の筋を知っているのは、勝田文さんのまんがを読んでいたから。国分太一さんの二つ目落語家「今昔亭三つ葉」のところに、関西から転校してきた小学生の村林、クリーニング屋さんの娘の十河、もとプロ野球選…

『ルームロンダリング』

不動産仲介業者等がいわゆる事故物件を新たに賃借人に斡旋仲介する場合には、そこがどういう部屋であるかを説明する義務がある……らしいが、その事情を知りつつ、賃借した者がひとりでもあれば、以後の賃借人に対してはその義務は免ぜられる……らしいので、「…

『空白』

妻と離婚して、中学生の娘を育てている男がいる。男の職業は、沿岸の海で蟹など漁る船の主、漁師。演じるのは、古田新太。家でも学校でもひとりぼっちだった幸薄い娘は、スーパーマーケットの店長に公道を追いかけられて、逃げて、でも、逃げ切れなくて、軽…

『孤狼の血 LEVEL 2』

映画館で観たかったのにCOVID-19感染のために鑑賞を控えているうちにロードショーが終わり、ぼやぼやしていたらアマゾンプライムの会員特典で見られるようになっていた。 広島県警東呉原署刑事課所属の日岡巡査は、前作に続いて松坂桃李さん。徳島刑務所を出…

『その夜の侍』

真夏の夕方、前方不注視で運転していたトラックにぶつかって、自転車の主婦が倒れる。トラックの運転手と助手席にいた同僚は事故現場から逃走する。救護義務違反と通報義務違反と。正確な死亡時点は確定されないが、とにかく早い時期に被害者は亡くなってい…

『100日間のシンプルライフ』

ドイツでアプリ開発を行うベンチャー企業を共同経営する幼なじみの男性ふたり。37歳のパウルと35歳のトニーは、プライベートでも同じ建物の違うフロアに住んでいる。開発したアプリケーションをアメリカの会社が高額で買い取ることが決まった矢先、ふとした…

『一死大罪を謝す』

役所広司さんは、『孤狼の血』では警職法の向こう側を泳ぐ警察官を、『すばらしき世界』では生涯の殆どを塀の内側で過ごした元受刑者を演じた。『三度目の殺人』で扮したのも、若いころに殺人を犯し、出所後ひっそりと暮らしていたが、ある事情から再び人を…

『犬猿』

お題「ゆっくり見たい映画」 商用のポスターの印刷を受注して、協力会社に下請けに出す会社に勤める若いサラリーマンがいる。辛抱強くて気弱な感じである。彼がある夜、自分の慎ましいアパートに帰ってきたところ、刑期を終えたばかりの実兄が訪ねてくる。兄…

『居眠り磐音』

かの田沼意次の試みのひとつに、南鐐二朱銀を全国に普及させようとした通貨政策がある。豊後関前藩を致仕して江戸の民間に籠居することになった坂崎磐音は、両替商今津屋の用心棒として雇われることになる。市場でははやくも値崩れの兆しが観察されるにもか…