ぴょん記

こつこつ憶える

『エイス』

 偉大な建築家という名のTGAが世界各地で特徴のあるスタイルの建築物と、それと抱き合わせの発電施設をつくっていく。それらの施設は、広い意味での思想と経済の両面から現地の人間たちを分断し、また、じわじわとかつてエネルギー利権を独占していた富める国家からその「お客様」であった貧しい国々を否応なく引き剥がしていく。TGAは、その事業と並行して、はっきりしたコントラストを示す世界には生きがたい人々を本拠地に集め、別天地を形づくろうともしていた。盗聴が趣味の白蟻駆除業者と在日台湾人3世の流浪の戦士、建築家と天才科学者、この2組の幼なじみに、数多の男女の人生が絡み合う。夢殿の鋼のオブジェ、写真の回収と破棄、「壊された」女とすれっからしの男の純愛、3巻で完結したこのまんがのあちこちには、散らかされたままの小さな物語がきらきらと捨て置かれている。現実もまた、「回収」されない謎だらけであるように。

 

エイス(1) (モーニングコミックス)

エイス(1) (モーニングコミックス)

 

 

 

エイス(2) (モーニングコミックス)

エイス(2) (モーニングコミックス)

 

 

 

エイス(3) (モーニングコミックス)

エイス(3) (モーニングコミックス)