ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

あのこ、ずるい

 本来、ある種の能力だけで採否が決せられるべき選考過程において、明確な他事考慮とはいえないまでも、その「ある種の能力」に付随するような、あるいは、選考者が意識するとしないとにかかわらず、なにやら大切にされる要素は、たしかに存在する。

 

 一般の株式会社の従業員採用面接に現れた大学生が、持斎のアルバイトで乗り組んでいた遠洋航海の遣唐使船から直接参りました、と、襤褸を纏い潮風に晒された赤銅色の肌から強烈な体臭を放ちながら面接会場に現れたとき、選考者は、はたしてそれはたいへんなお役目お疲れさまでしたと目深に挨拶しつつ、規定の15分間、元持斎現就活生の話を神妙に聞き入るべきだろうか。

 

 それはさておき、ふつうの容姿の男性である面接者にとって、求められる「ある種の能力」に遜色はなく、その他の条件はほとんど同等、ただし、一見してきれいで朗らかで、狙うポストに自分が就いたときよりもいかにも職場を盛り上げそうな女性の競合者というのは、どのように映るものだろう。

 

 また、そういう女性と競合する、あとの条件はほぼ同じ、ただし、容姿やパーソナリティに自信がなく、気後れしてしまうタイプの女性の面接者は?

 

 結果における実質的平等を確保するために、あえて入口における実質的平等を崩した、いわゆるアファーマティブ・アクションに対する反応は、「割りを喰った」連中にしてみればおよそよろしかろうはずはない。

 

アファーマティブ・アクション - Wikipedia

 

 昨日のリーダーの会見は、リーダーそのものが「小綺麗ななりをした、いかにも闊達そうな若手の女性」だったから、これまでも「なにかと得をしてきた」、つまり、実際の能力以上に評価されて、「うまいことやってきた」んじゃない?という疑念が、通奏低音のように流れていた。

 

 リーダーが涙を抑えるためにハンカチを取り出したとき、リーダーがみた閃くフラッシュの数は、いったい何十何百だったのだろう。

 

 ことが起こったとき、「責任をとって」ポストを辞する、とか、そもそも人生から出て行く、とか、そういう一見潔さそうにみえる解決策をとるのではなく、『訴訟も視野にいれた、弁護士さんたちが慎重に描いた筋書き通りの答弁でしたね。』などとコメントされつつも、あえて表に出てくる度胸というのが、30歳の女性によって示されたところが出色。200回以上云々は、また後日の話で、いい「じゃん」?