どろどろに疲れていたので、はじめてのホテルであるにもかかわらず、チェックインを省いてそのまま客室に上がったところ、なぜかドアが開いた。巻物とコートを脱ぎ捨てて潜り込んだのは、猫足バスタブの置いてある浴室の脱衣スペースの簡素なソファだったが、しっかりした毛布も掛けてあって眠るには十分だった。
朝になって、少し開いた両開きの窓から、かすかに潮の香りが漂ってきた。朝めしのときに、濃いめのコーヒーに熱々の牛乳を注いで飲みたいけどお腹がごろごろいうかしらと思いながら身体を起こした。それにしても、昨夜はどうやって客室に入ったものだろう。古めかしい造りに見せかけているけれども、客室のドアは電子錠であったのに。ひょいと浴室から出て、寝間のほうを見遣ると、3帖敷きくらいの広さのベッドに、家族が大の字になって寝ている。負けた。
という、明け方の夢。
(わたしハ、じぇんつーぺんぎんノ、ぴよらっとデス。)