オーデコロンは、だいたい３種類くらい常備していると安心だ。外出先で汗を掻きそうなおそれがあるときに風呂上がりにさっと吹いておく柑橘系、かすかに香る程度のフローラルやグリーン、それから自分を寛がせるための何かである。
病気をして外出する回数が少なくなると、自分の身体の匂いに無頓着になる。そうならない嗜みある女性も少なくないだろうが、わたしは、たまに生きているだけで手一杯になる日もあるので、そういうときには、石鹸で顔を洗って化粧水を含ませたコットンで拭いて、クリームを塗らずに寝てしまう。もう、清楚さが美しい年頃ではなく、まだ、簡素さが清しさに通じる年代ではないから、それでなくとも中途半端なのに、粉黛で塗り込めるべき素地すらもたない身を嘆きつつ、必要最低限のその下のレベルを維持している。だからして、自然の匂いを押さえることでやっとで、人工の香りを添えるのは後回しになる。
これまでは、並行輸入の通信販売で、ロクシタンのお茶の香りのコロンを買ったりしていた。それが入手しづらくなってから、ザボディショップのコロンに戻ったり、レールデュタンの小さいのを買ったり迷走している。それにしても６年前に買ったロクシタンのレモンバーベナ、まだ３分の２以上残っているのはいったいなぜ。
