ぴょん記

はてなスターはじめました 2022/04/19

義理ごとの作法、その特則として

 宮尾登美子『鬼龍院花子の生涯』が映像化されたとき、プロモーションに利用された有名なシーンがある。大勢の礼装に身を包んだ男女を向こうに回した美しい夏目雅子が、「土佐の高知の鬼政の娘じゃけん、なめたらいかんぜよ」と啖呵を切る場面である。ただし、たしかに、鬼政とは、彼女の養父で大正ごろの高知市周辺で勢威を誇った侠客・鬼龍院政五郎を示すのだが、夏目雅子の劇中での名は松江といい、政五郎の実子の花子の姉である。そして、彼女が睨みつける礼装の人々は、亡くなったばかりの松江の夫の親族であり、妻でありながら侠客の養女であることを理由に分骨を断られた松江が諦めきれずに骨壺から夫のお骨を取ろうとしていた現場を押さえられて、冒頭のセリフとなる。

 礼装の人々は堅気であり、夏目雅子は「花子」ではない。小学校の女性教諭だ。

 それを、まさに堅気でない女が敵対する暴力組織の本家に踏み込んだかのようにみせる演出の見事さである。黒と白だけで彩られた非日常の空間には、その錯覚を許す素地がある。

 

 

リモート葬式したら絶縁された

増田氏には、ご両親、とくにご母堂に、リモート葬儀を選択したご判断は絶対に間違っていないと何度も伝えてあげてほしいと思う。実際の人の移動を作り出すことを避け、感染の可能性を封じたのだから。ご立派です。

2021/01/14 13:37

  このアノニマスダイアリーとは逆に、田舎の葬式に都会から参会した、就職したばかりの故人の孫が、ただでさえ祖母を亡くして悲しいのに、COVID-19絡みで周囲からとても疎々しく扱われてつらそうだったという話を思い出した。生きる者たちと亡くなった人を隔てるためのしきたりが運ぶ間、多かれ少なかれ誰もが正気ではいられない。まして、この伝染病の感染拡大期である。現実的には、いまはなるべく小さな送りの儀式に収めて、たとえば仏教でいえば三回忌などに会食を伴う会を開いてもよいのではないかと思う。

 

鬼龍院花子の生涯

鬼龍院花子の生涯